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2006年4月27日 大阪センチュリー交響楽団
第110回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

シューマン  交響曲第4番
R.シュトラウス  交響詩「英雄の生涯」


演奏者(指揮者・ソリスト)

競演: 仙台フィルハーモニー管弦楽団
指揮: 小泉 和裕

感想・短評

「関西オケ・英雄の生涯4連発」も今日で最終日。プログラム的には面白い組み合わせだし、仙台フィルとの合同演奏ということも見逃せない一夜なのだ。気合を入れたいところだったが、ちょっと疲れていたので睡魔との闘いとなった。

1曲目はシューマン4番。ユニークな曲なので、良い演奏のときはとてつもなく心弾むものなのだが、残念ながら睡魔には勝てない演奏だった。何しろ、抑えるところでは抑え切れなくて、鳴らすところでも鳴らしきれていないという、実にメリハリに乏しい演奏だった。特に金管のチープで中途半端な鳴らし方は魅力を半減させていたと思う。第4楽章に入ってようやく鳴り出し、小泉さん得意の畳み掛けるようなフィナーレは面白かったものの、時すでに遅し。うーん。ちなみにコンマスは仙台フィルの方だった。オーバーアクションで好きではなかったが、ティンパニも仙台フィルだった。

さて、前半で少しいやな雰囲気を感じていたが、この4月の「英雄の生涯4連発シリーズ」締めくくりの演奏には期待せずにはいられなかった。その期待の雲行きが怪しくなったのは開始20秒後くらいだろうか(早!)。ぎこちがなく、流れが悪かった(リズムもブレてた)。R.シュトラウスの音楽では、各パートが重なって、複雑だが美しくも流麗なメロディが構築されるもの。それが、ただ複雑でメロディが捉えどころのないものになっていた。特に木管はバラバラで音色にも統一感がなく落胆してしまった。先週の京響の「英雄の生涯」はどんなに美しかったことか。。。「英雄の伴侶」では、4月からコンマスに就任した川崎さんがソロを披露。素直で美しい半面、他のヴァイオリン奏者と同じく線が細かったのはちょっと残念(女性的で良いのかもしれない?)。そんな状態で英雄は戦場に向かった。結果は滅多打ちにされボロボロになった哀れな英雄の姿がステージ上にあった(そもそも英雄なのか?!)。そして、業績もなく、未完成のまま引退していく・・・といった感じか(こじつけ)。ここまで崩壊状態の「英雄の生涯」は聞いたことがない。これまで行った同曲の演奏会はほとんどが当たりだっただけにショックが大きかった。せめてもの救いは、最後のホルンは美しく響いていたことか。全体としてもストーリー性やドラマ性に欠け、盛り上がるところがなかった(「英雄の戦場」の騒がしい部分でさえも!)。昨年の「アルプス交響曲」が出色の演奏だっただけに、期待を大きく外された分、厳しい評価になったというのもあるが・・・


【特別企画】 今年の4月は関西のオケで偶然が重なっている。4つのオケ(PACオケ大フィル京響大阪センチュリー)の定演で「英雄の生涯」が取り上げられているのだ! それぞれに違う「英雄の生涯」を聞き比べられるという、滅多に出会えない貴重な1ヶ月。「関西オケ・英雄の生涯4連発」ということでお届けします(笑)。

4月8日 佐渡裕指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団
4月21日 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
4月22日 大友直人指揮 京都市交響楽団
4月27日 小泉和裕指揮 大阪センチュリー交響楽団

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