【短評】 なかなか面白い企画だ。大して期待していなかったこのコンサート。宮川氏の軽快なトークとアレンジにより、リラックスして鑑賞出来るコンサートだった。
その中でも「うわさのボトラーズ」は大爆笑ものの企画。ギャング風の2人の男がオーケストラに合わせて、コーラの瓶を口で吹き鳴らす。また、その動作が風貌とアンマッチであり、滑稽である。途中、コーラをこぼしてしまったりして音がちゃんとでなくなったり・・・。いつも無愛想なコンマスの梅沢氏も腹を抱えての大爆笑。梅沢氏の意外な一面を確認できた。この2人。一人は大フィルの事務員だそうだが、もう一人の名前を聞いて驚いた。4/26の大フィル定期にデビューする、大フィル指揮研究員の下野竜也氏ではないか。その立派な風貌からも、十分ギャングとしても活躍出来そうな彼。近々、ウィーン国立音楽大学に留学するそうだ。今後要注目の人材だ。
また、「動物のコメンくだ際」の「イワトビ・ペンギン君」も面白かった。サンサーンスの「動物の謝肉祭」に登場しない動物をモデルに宮川氏が作曲したもの。宮川氏自身、イワトビ・ペンギン君に似ていることからも、この動物が選ばれたようだ。曲風はペンギンがテクテク歩いている様子が良く浮かび上がる分かりやすい曲想。
次回は「タコ」をモデルに検討中だとか。
プッチーニの「わたしのお父さん」「蝶々婦人」では、トランペット奏者の秋月氏がソリストとして登場。まだ27歳であるが、彼のシンのある太く優しい発音は見事。彼自身、近々、第1Vn奏者の女性と結婚するらしく、2人が舞台で祝福を受けていた。彼らにとっていい思い出となったことであろう。
それにしても、今日は大フィルの良い一面を垣間見ることが出来た。
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