先月、鮮烈なデビューを飾った兵庫芸術文化センター管弦楽団。間髪入れずに次の公演が始まった。今回は講師のソロあり、各パートのソロありの、いわば「自己紹介プログラム」と言っていい。
ボレロは期待外れ感が大きかった。すごくギコチなかったのだ。前回はフライング気味だった木管は、今日は遅れ気味で、重〜いボレロだった。クレシェンドするにつれ調子を取り戻していたが、まだまだ各パートが融合した演奏とはいかなかった。スネアが2人に増えるところでは急激に音色が変わってしまったので、連続性を大事にして欲しかったなぁ。
2曲目は協奏交響曲。どういう訳か今年は当たり年である(6月のテレマン室内管、10月のモスクワ・ソロイスツ)。ソリストの四方さんと豊嶋さんは言うまでもなく上手い。豊嶋さんはヴァイオリニストなのにヴィオラも弾けるとはさすが一流奏者です。オケの方は低弦がしっかりしていたものの、ヴァイオリンがおとなしく、モーツァルトらしい軽やかで明るい音色が聴きたかったので残念なところ。旋律がつかみづらかったです。しかし、何度聴いても眠い曲ですわ。。。
前半の不安要素をすっかり払拭してくれたのが後半の「幻想」。熱い熱い熱演でした。この辺はオーケストラの若さか? それとも佐渡さんの得意さか? 第1楽章はまだ堅さが残っていたが、すぐに解消。伸びのある優雅な演奏になりました。第2楽章は思ったより淡泊だったが、最後の音を消え入るようにそっと出していたところなんかは、さすがフランスのオケを振っている佐渡さんだなぁと思った。特にできが良かったのは第3楽章と第4楽章。第3楽章「野の風景」はサブタイトルの通り、ほとんど寝てしまうところなのだが、今日は上手い演奏にパッチリ目が覚めてました。コールアングレのソロがバツグンに上手く、呼応するバンダのオーボエも見事な会話を楽しんでいた。第4楽章は一転して重苦しくも圧倒的な迫力を持って完璧に鳴らしまくってくれたのが良かった。その勢いのまま第5楽章に突入。冒頭の難関の木管(特にクラリネット)もほぼ危なげなかった。鐘もバンダでの演奏だったので耳障りにはならず、Goodな選択だった。クライマックスは猛烈なスピードで突進。炎の佐渡さんにオケは必至に食らいついて行き、何度かバラけながらも豪快に曲を閉じた。当然、会場はブラボーの嵐。興奮する良い演奏でした。こういう演奏が毎回聴けるんだったらスゴイオケかも。次の演奏会が楽しみです。
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