今日の演奏会はavexによる収録があるとのこと。プログラム自体はそれほどの注目のものでもないが、佐渡さんがバーンスタインを振るというのはやはり見所なのだろう。開演前に佐渡さんのプレトークがあったが、バーンスタインとの逸話や曲の解説は興味深いものがあった。また、面白かったのは「僕はタイガースファンですが、今日の曲は『巨人』。今年は大丈夫でしょう。これくらいサービスしとかないと。」と会場の笑いを誘っていた。
それはさておき、1曲目のセレナードは第4楽章が見事な演奏だった。美しい旋律もさることながら、佐渡さんのバーンスタインに対する想いというものが重なって見えて、とても感動的だった。ヴァイオリンのソロはパリ管のコンマスのアイシュ。はっきり言っていま一つだったかな。。。音圧が弱いだけでなく、音程も甘い。昨日の京響で聴いた松山さんのヴァイオリンがあまりにもインパクトがありすぎで、もの足らなく思ったのもあるが。。。オケはうまく演奏していたように思うが、もう少しバーンスタインの遊び心が表現できてればなぁと感じた。
後半はマーラー。また「巨人か!」って感じだが、PACでは昨年の第6番「悲劇的」以来だ。遅めのテンポで行くのかと思いきや、どちらかというと早めで、あまりテンポの変化をつけない素直な演奏。第1楽章は実に穏やかで平和な印象を受けた。まるで「田園」を聴いているような感じ。そのアプローチにはとても興味を持ったが、その他の楽章は特に特徴がなく、淡々と進んでいった。もちろん上手いとか下手とかいう話ではない。佐渡さんの解釈に過度な期待があったからだろうか?
オケもバランスに欠ける箇所が多々あった。一番気になったのはクラリネット。頑張りすぎでちょっと品がなかった。先週までのベートーヴェンでは美しく吹いていたのに。。。
第4楽章に入り、冒頭でテンポの急変があったので気分が盛り上がったが、そこだけだった。最後で一気にテンポを上げたかと思ったら、一気にテンポを落として終えた。最後だけの激変だったので、どういう意図があったのだろうか? 疑問の残る演奏だった。オケは熱演だったのは間違いないが、幾分明るい目の音色だったことにも違和感があった。
今日の演奏はCD化するんかなぁ。ミスも多かったと思うが。
2008年コンサートカレンダーにもどる
|