♪夏が来れば思い出す〜。恒例の佐渡さんプロデュースオペラです。このシリーズは手の込んだセットと、ユニークな演出が売りのオペラ公演で、毎年楽しみにしている。今回は主に日本人キャストなので、日程による差は少ないんじゃないかな?チケットは相変わらず取りにくいのと、安い席で見ようとするため、あまり視界は良い席ではないですが、そこは仕方ないですね。今回も4階席の端っこでした。
さて、今回の感想は端的になりそうです。というのも、モーツァルトもしかりですが、この手のオペラはあまりにもストーリーが単純で、同じことを何度も繰り返し歌い続けるので、上演時間の割には中身が薄いからです(笑)。要約のみの公演にしたら15分くらいで終わるんじゃないですかね?
そんなことは置いておいて、今回のセットはユニークではあったものの、印象としてはちょっと質素という感じでした。予算のことはよく分かりませんが、以前に比べて豪華さはなかったです。犬小屋サイズの小さな家から、2階建ての住宅レベルの大きな家まで5つくらいが舞台上に運び込まれるところから始まります。なので最初はステージは空っぽです。上演中に舞台設営するという演出のようです。主にこの2階建て住宅で全てのストーリーが展開されます。今回の舞台の最大の欠点は日本語上演だったことでしょう。佐渡さんの希望とのことで、その理由もよく分かっているのですが、そもそも日本語の発音とオペラの発声が合ってないのでとても歌いにくそうに聴こえました。当然声量も不足です。せめて、歌のところは原語にして、会話のところは日本語にしても良かったのではないかと思う。
歌手陣も差が激しく、主役?のアルマヴィーラとロジーナは完全に声量不足。ほとんど聴こえなかったといってもいいでしょう。それに反して、フィガロとバジリオは声量豊かでとても演技に幅がありました。オーケストラもいただけなかったです。オペラ公演の場合は、最初の内は体力温存で抑え気味で、徐々に本領が発揮されるということがよくあるのだが、今回は最初から最後まで大して力のこもったところはなかった。ベルリン・フィルやウィーン・フィルからも助っ人を入れるという豪華さでしたが、その効果はなかったようです。響きがチープなんですよね。もちろんシリアスで壮大な曲ではないので仕方ないところはありますが。昨日の京響の高水準の演奏を聴いているだけにどうしても比較してしまいました。
プレトークで佐渡さんは「声を出して笑っていい」という話をされてましたが、演出面でも笑えるところは少なかった。。。ワザとらしい笑いポイントはあったけれど、そういうところ以外ではあまり笑えなかった。過去の公演の方がもっと笑えるところが多かっただけに、手の込みようが低かったのではないかと思います。
批判的な感想になっちゃいましたが、期待が高すぎると裏切られるところが多くなるのは仕方ないですね。でもオペラはやはり「原語上演」でお願いします!
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