今年で2回目の「びわ湖シンフォニーホール」。若杉さんがびわ湖ホール芸術監督としてオーケストラを振るのは今日が最後の演奏会となる。開館以来ずっと監督のポストだったので何かと感慨深いものがある。若杉&京響の組み合わせで聴くのは、初めてびわ湖ホールに来た2000年以来だ。
オープニングのブリテンはこの企画のテーマ曲らしい。こぢんまりとした曲。ホルンが変だった以外はまずまずの演奏。続いてロッシーニの「どろぼうかささぎ」。巨匠らしくゆとりのある演奏で、絵本を読み聞かせでもしているかのような柔らかな口調が安心度を上げていた。ちょっと劇性がいま一歩でまったりしていたという感じも拭えないが・・・ クレッシェンドの具合が抜群に上手いなぁと感じる演奏でした。
今日のメインはおそらくジュニアメンバーとの共演だろう。オーディションに勝ち抜いた、小学生から大学生までの13名が京響メンバーとともに共演するのだ。ジュニアだからってナメてはいけない。緊張していたのか?経験が浅いためか?小さくなっているように見えたが、技術的には文句なく上手くて大活躍でした。しかし、オケに入っても違和感ないのだからスゴイ。中でも主役はピアノの2人とチェロとコントラバス。特にチェロは中学生だというのに見事なソロをこなしていた。あぁ、未来は明るいと感じるとともに、自分のクラリネットがちっとも上達しないのでいじけそうでした(笑)。
さぁ、最後は「悲愴」。このところ演奏機会がすくないと思っていたにもかかわらず、先々週の大フィルに続いて今年2度目(汗)。今日の演奏はかなり良かったのではないかと思う。何が良かったかというと、若杉さんの指揮がスゴかった。場当たり的なアクセントやテンポの変化を見せず、曲全体の大きな流れを表現するような近年まれに見るような演奏。思わずカラヤンの演奏を思い出してしまうほどでした。まさに巨匠というにふさわしい解釈でした。それを単調でつまらない演奏にしなかった京響には大いに拍手したい。特に第1楽章のクラリネットソロ(素晴らしい!)以降と第2楽章は集中力がかなり高かった。第3楽章は遅めのテンポだったので若干乱れる場面はあったものの、第4楽章は文句もないほどチャイコフスキーだった(変な表現だな)。2004年のヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウの名演に次ぐ納得の演奏でした♪。昨年聴いた第4番(ヤルヴィ指揮の奇抜演奏)も面白かったが、京響はチャイコフスキーは得意なのかな? 次は第5番も聴いてみたくなった。
「悲愴」の後なので何も聴きたくなかったが、最後にアンコールがあった。快活で気持ち良く演奏している感じが良かったです。
チャイコフスキー 歌劇「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ”
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