アメリカ音楽・・・人気ないのか観客はあまり多くない。今シーズンでは注目の定期だと思ったんだけどなぁ。確かに大曲ではないけど、このような色彩感豊かな曲こそ京響の実力が分かる曲なんだけどなぁ。
最初はバーバー。京響らしい淡麗な音色。もう少し深みがあると美しいのだが。ただ、広上さんは激しく唸ってました。この曲で唸られても(汗)。こういう美しい曲は静かにして欲しいな。
「ラプソディ・イン・ブルー」は圧巻でした。小谷口さんのクラリネットはもちろん期待していましたが、想像を越えるパフォーマンスで打ちのめされました。やっぱり日本一うまいわ・・・ ちょっとショックなくらいでした。なので、そのあとはあんまり覚えてません(笑)。広上さんの指揮は曲をデフォルメするようなわざとらしさはなく、間をうまく使った抜群のリズム感でした。オケも挑戦的ではなかったもののアメリカ音楽らしい固さをよく表していた。1つ難を言えば清水さんだろうか。好きなピアニストだし、テクニックもパワーも申し分ない。だが、遊び心があまり感じられなかったのが残念なところ。これから続く京響による「ラプソディ・イン・ブルー」4連発の中では、やはりジャズマンには敵わないか・・・
後半はお気に入りのバーンスタイン。「管弦楽のためのディヴェルティメント」はメリハリが利いてバーンスタインらしさが存分に出てました。第4曲、第5曲、第7曲が刺激的でブラボーでした。終曲は金管セクション総立ちでやりたい放題。すごく楽しそうに演奏していたのが、曲の出来を物語っている。いやー、全曲は滅多にやらないだけに貴重な体験でした。
さらに圧巻は「ウェスト・サイド・ストーリー」だった。音のキレ・張り、テンポ、ノリ・・・全て完璧といっていいのではないか・・・ ここまでの完成度は予想していなかったので、聴いていて興奮して風邪がぶり返しそうでした(笑)。「マンボ」では、管楽器陣も演奏のわずかの隙に叫んでいたのが最高に楽しかった!
終演後のレセプションで広上さん聞いたところによると、バーンスタインから直接教わった曲だといっていたので、力も入っていたのだろう。モノスゴイ全身でオケをブイブイとドライブしていた。京響と広上さんのポテンシャルを全て出しきった快演だったと思う。これと同じプログラムの東京公演が非常に楽しみだ。
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