失礼ながら驚きだったのはほぼ満員だったこと。サントリーホールを観客で満たすなんて、京響ファンとしては非常にうれしい限り。ホール前では、京都の花灯路が飾り付けられ、プレトークも広上さんが散々京都&京響の宣伝を繰り広げるなど、京都デスティネーションキャンペーン張りの力の入れようでした。
さて演奏の方ですが、プログラムは1月の定期演奏会と同じモノ。バーバーは1月定期の時の印象とあまり変わらなかった。どちらかといえば、サントリーホールはよく響くのだが、P席に関してはは京都より分が悪かった。少しモノ足らなさを感じたかな。
「ラプソディー・イン・ブルー」は1月定期の方が良かった。。。注目のクラリネットはちょっと慎重でした。意外にも京都コンサートホールの方が響きがふくよかな気がした。1月定期の方が良かったというのはピアニストの清水さんも同じ。調子が今一つなのか?ミスやリズムの乱れなどが見られた。オケもやはりクラリネット同様にちょっと慎重だったかな?ミスも目立ったし。気になったのは響きに時間差があって聴きづらかったこと。こんなんだったかなぁ、サントリーホール・・・。よく響く良いホールなんだと思うけど、慣れないと聴きづらい。でも、弦楽器は豊かな響きとともに京響らしい繊細な線が感じられて良かった。
後半はバーンスタイン。「管弦楽のためのディヴェルティメント」は弦楽器が活躍する第2曲が一番の聴き所だったかと。その他の楽章は聞き応え的にはやはり1月かな? やっぱり残響のために、壮大感はあるのだが、スピード感がなくなってしまう。特にこういう曲だとキレが大事なので。
同じことは「ウェストサイド・ストーリー」でも言えた。そもそもこの曲はクラシックのコンサートホール向きではない。いくらか響きの悪いくらいのホールの方がいいのだ(京都コンサートホールをけなしてるかな?)。だいぶ耳がホールに慣れてきたのか、オケが乗ってきたのか、東京のオケには絶対に負けないと思われるほどグイグイと広上さんがオケを引っ張っていた。実に壮大で充実感のある「ウェストサイド・ストーリー」でした。
初めてのサントリーホールでの京響はいつもとは違う響きで楽しい体験でした。東京のクラシックファンには真の京響を楽しんでもらえなかった気もするが、それは京都に聴きに来てもらうということで!(笑)。
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