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2009年11月28日 京都市交響楽団
第530回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲 K.620
ベートーヴェン/ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための三重協奏曲ハ長調 op.56
サン=サーンス/交響曲第3番ハ短調「オルガン付」op.78



演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:掘米ゆず子
チェロ:宮田大
ピアノ:アブデル・ラーマン・エル=バシャ
オルガン:桑山彩子
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:広上淳一

感想・短評

今日の京響はチケットが完売だったとのこと。北山駅を降りてもスゴイ人だった。何があったのだろうか? 今日のプログラムはソリストもたくさんおり、華麗なのだが、比較的渋い選曲。プログラムで満員になったとは思えないが・・・。それともソリスト効果か?

モーツァルトは安全運転で殻にこもった演奏でした。特に感想はないかな?うまい演奏でしたが。ベートーヴェンは豪華ソリストを迎えての三重協奏曲。堀米さんのヴァイオリンはいうまでもないが、何といっても目玉はチェロの宮田さんだ。今月行われた、ロストロポーヴィチ・コンクールで日本人初の優勝を遂げたばかりのホットな人物なのだ。ソリストへの期待以上に、冒頭から広上さんとオケの熱の入りようは尋常ではなかった。モーツァルトとは全く異なり、自発的で躍動感に満ち溢れていた。特に第2楽章のピュアでストレートなチェロの音色にはノックダウンでした。最後まで集中力が途切れることはなく、勢いは増すばかり。フィナーレでは完全に熱狂状態のコンチェルトでした。ブラボー。何でこういうときにテレビ収録がないんやろか? 京響では今年は数々の名演奏を聴いているが、かなりトップランクの素晴らしい演奏だったと思う。もちろんソリストの力量の高さに他ならないが、ソリストと対等に立ち向かうオケにはとても感心した。

後半はサン=サーンスの「オルガン付き」。正直、聴き飽きた感はあるのだが、そんな思いを抱いたのを恥じることになった。なんという魅力が弾ける演奏だったことか! 三重協奏曲の勢いをさらに加速させて、少し速いながらも、気持ち良いテンポでグイグイと進む。実に骨太で男性的な演奏だ。京響で「男性的」と思ったのは初めてかも。さらにオルガンの桑山さんは驚くべき腕前だ。欲しいときに欲しい音がピタッと来る絶妙さ。オルガンといえば、少しズレて聴こえることが多いイメージなのだが。第2楽章に入ると一層熱くなる。フィナーレはバーンスタインかスヴェトラーノフかと思うほど、このオルガンを交えた壮大さを目いっぱい表現していた。いやが上にも盛り上がるでしょ。素晴らしい演奏でした。広上さんからのお話があった後、定期としては(特にオルガン付きの後としては)異例のアンコールが演奏され、満足度の高い演奏会となった。

 グリーグ/「2つの悲しき旋律」から第2曲“過ぎにし春”

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