3月11日の東日本大震災のあと初めて行く演奏会。実に楽しみな演奏会のはずだったのだが、連日報道される惨状を目の当たりにしては、複雑な気持ちで気分は晴れていなかった。軒並みイベントが中止となる中で、この演奏会こそは中止にならなかったものの、京都コンサートホールの入口では数種類の旗が半旗として掲げられていた。そういう状態だからか、休日にしてはあまり集客も良くない。3階は空席が目立った。開演前のプレトークには遅れて着いたのだが、災害の話はしていなかったように思う。これも西と東の温度差だろうか?・・・
予定通り演奏が始まった。気分の落ち込みなんて関係なく、さすが京響というノリの良いショスタコーヴィチだった。キレの良さと弦楽器の少し冷めた音色が心地良い。第2曲のクラリネットはもっとおどけた表情が欲しかったが、第4曲と第6曲の騒々しい曲は京響の本領発揮だった。
2曲目のソリスト、ヒョンスは美しくて若いのに、奏でられる音楽は個性に満ちあふれていた。特に韓国から拠点を移すことなく自国で活動しているらしいが、演奏は確かなものだ。「韓国の至宝」と宣伝されていたことが良く分かる。
後半は好きな作曲家だがなかなか出番のないヒンデミット。やっぱ、こういう曲も京響はうまいですわ。
2011年コンサートカレンダーにもどる
|