今年もやってきました。京都の秋音楽祭のオープニングです。今年はロンドンオリンピックに合わせてイギリス特集だった。ちょっと時期はズレちゃってますが。1曲目は華々しくオリンピックファンファーレで始まった。京響の風格を見せつけるかのような美しく整った金管セクションにはただただ脱帽です。打楽器も素晴らしい推進力。オープニングに相応しい盛り上がりでした。
続くハイドンは「ロンドン」。京響はモーツァルトやベートーヴェンよりもハイドンが合ってるのは過去の演奏会でも感じているが、今日もそれに違わず安定感のある演奏でした。特に目立つうまさがあったわけではないが、難をつけるところも見あたらない。いい演奏でした。
メインはイギリスの作曲家のホルスト。「惑星」を京響で聴くのは実に3回目だ。そんなに演奏機会に恵まれている曲ではないのだが、京響にとっては十八番ともいえる得意曲だ。演奏は期待を裏切らない堂々たる宇宙絵巻だった。全体的に遅めのテンポでスケール感が感じられ、大音響の勢い演奏ではないことを見事に表していた。「火星」の大迫力の後の「水星」の芸達者ぶりは他のオケでは聴けないのではないだろうか?一番充実したうまさを見せつけた演奏でした。「木星」もかなり遅めのテンポだったので、みなさんお待ちかねの旋律に導くためかなとも思ってしまいましたが、巨大惑星である木星の雰囲気は出せていたのではないでしょうか。勢いが欲しかったのも確かだけど。他の聴きものは「天王星」だろう。大音響をものともしない安定感はさすが。最後の「海王星」は女声合唱の代わりにオルガンを使って表現していた。うーん、これに関してはやっぱり女声合唱の神秘さは捨てがたかったなぁ。
これほどの名演の後なので何もいらなかったが、アンコールが1曲あった。イギリスにちなんで、ウォルトンの戴冠行進曲「王冠」。いやー、うますぎてお腹いっぱいすぎました。
となりで聴いていた人がしきりに「すごい!楽しい!」と連発していた。その感想は今の京響をまさに表している一言だろう。うまいだけでなく、指揮者を始め、楽員みんなが楽しく生き生きと演奏しているからだ。この状況が長く続く限り、京響の未来は果てしなく明るいだろう。
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