自分にとって今年最後の演奏会。また第九か!という感もなくもないが、沼尻さんの指揮で京響の演奏を聞けるという喜びには変えられない。京響の第九は2日公演だが、今日の27日は第九の前に「パルジファル」前奏曲がプログラミングされていた(28日は「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲)。めったに演奏されない上に、ワーグナーの中でも特に好きな曲なので、第九以上に楽しみだったともいえる曲だ。均整のとれた金管と木管は実に安心して聴けます。荘厳と言うほどではなかったが、静謐で純朴な演奏だったと思う。弦楽器にもう少し底力があればねぇ。
さて、第九の方は先週聴いたびわ湖とは異なり、合唱の人数が半分なのでそれなりに適正な人数だ。男声合唱は相変わらず年齢層が高いが、女声は若い人も多いのが京都の特徴か。沼尻さんのタクトはオーソドックスではあるが、切れば血が噴き出しそうなほどの張りのある音楽だ。特に第1楽章は凄まじかった。沼尻節炸裂なのでファンとしてはたらない。第2楽章も緊迫感はあるが小気味良い快活な演奏。第3楽章はまさに天上の安らぎか。京響が誇る木管セクションの面目躍如たるもの。こればかりは他のオケでは聴かれない幸せではなかろうか?第4楽章は冒頭こそ劇的ではなかったがバランスの良さはピカイチだった。ただ残念ながらソリストはイマイチ。バスは低音が出せず、ソプラノは高音の安定感に欠ける。最後の四重唱なんかはバラバラでしたね。。。
いやー、密度が高い演奏でした。最後の盛り上がりも白熱したし、沼尻さんの指揮は手に汗握るエキサイティングなものなので満足感は高いですねー。今年最後の演奏会、良い形で終われたのではないでしょうか?
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