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2013年4月14日 京都市交響楽団
第567回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
R. シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」op.40

演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:神尾真由子
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:尾高忠明

感想・短評

2013年度シーズンの始まりは完売公演となった。神尾さんの人気の高さや大曲「英雄の生涯」によるものだろう。「京響で英雄の生涯を聞いてみたい!」というファンも多かったことだろう。今日の演奏会はそんなファンを大いに楽しませる内容だったと思う。

まずはブラームス。尾高さんの指揮なのであまり奇抜なことがなく、オーソドックスに進んでいくのだが、神尾さんのヴァイオリンが強烈だったので引き締まった演奏になったのではないだろうか?これまで神尾さんのヴァイオリンはあまり好きではなかったのだが、女性にしては攻撃的な骨太の音色は聴きごたえありました。ブラームスには合っているんだと思います。テクニックもさることながら、歌わせ方が自由自在で、淡白ともいえる尾高さんをドライブしていたように感じた。昨年にもこの曲の名演奏を聴いているが、また別の曲のように楽しむことができました。強いて言うと、トランペットが明るすぎたのでもう少し落ち着いた音色にして欲しかった。盛大な拍手だったが、アンコールはなかった(ない方が良かったと思う)。最後に舞台袖に消える際に、神尾さんは転んでしまったようだが大丈夫だったのだろうか???

後半は「英雄の生涯」。この曲を聴くのは、数年前に関西の各オケが一斉に取り上げた「英雄の生涯」の合戦以来となる。あの時もナンバーワンは京響の演奏だった。今回は前回と違う印象だったが最良の演奏だったことは言うまでもない。まず弦楽器のなんと芳醇なこと。より一層の奥行き感をもって響いてきた。音に深み、旨味が増したという感じだろうか?実に大人な音色を楽しめました。管楽器の安定感は述べるまでもないが、聴こえるかどうかわからない楽器までしっかり鳴っている感じでした。音に圧にを感じることのできるR.シュトラウスの音楽って本当にライブに限ります。尾高さんの少し早目のテンポはベッタリ感がなく、退屈せずに聴けたと思う。個人的に注目したのは「英雄の伴侶」で登場するコンマスによる長いヴァイオリンソロだ。今日のコンマスは渡邊さん。いつもに増して集中度が高かったように思います。その気迫が十分に伝わってきて、今日の一番の聴きどころとなっていた。いやー、いいヴァイオリンでした。

京響は今年も有名曲ばかりのプログラムが相変わらず多いけど、実力の高さゆえに大いに楽しむことができる。次回は道義さんの登場で十八番のブルックナーなので大いに期待したい。

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