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2013年7月19日 京都市交響楽団
第570回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ホ短調 op.93

演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:ワディム・レーピン
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:パブロ・ゴンザレス

感想・短評

祇園祭もピークを越えた京都。暑さは毎年のことだが、京響の熱さも年々上がってきている。今日の公演も平日なのにかなりの集客に成功していた。目当てはおそらくレーピンだろうが、曲目も満足度の高いものなので双方のファンを呼べたのではないだろうか?

まずはシベリウスから。レーピンは言わずと知れた大物ヴァイオリニストである。近年の京響へ来るソリストとしては久々に大物感が強いのではないだろうか?それに対して指揮者は若手とういつもの京響の人選である。さて、演奏ははっきり言って微妙な感じでした。レーピンはさすがに手慣れたものだけあって、しっかりとした立ち位置で存在感を表していたのだが、いろいろと「あれ?」というところも多かった。まずミスが多すぎる。多少の外れた音は大して音楽に影響はしないのだが、名手が連発すると非常に気になる。それに音程にふらつきも感じられた。見た目は堂々としていて調子が悪いようには見えなかったのだが。調子か?疲れか?おごりか? オーケストラの方も委縮気味のはっきりしない演奏で、たまのトゥッティで爆発するためアンバランス極まりない。問題はむしろ指揮者にあったのではないだろうか?この指揮者、完全にレーピンに主導権を取られているように感じた。つかみどころなかったですね。シベリウスの得意な京響だけに期待していたのですが、ちょっと肩すかしでした。レーピンはアンコールもなかったので、調子か機嫌が良くなかったのかもしれませんね。

後半はショスタコーヴィチ。なぜか10番ばかり演奏されるので、正直飽きてきている。それでも京響となれば話は別なので期待して聴いた。感想としては、こちらも今一つだった。決してオケが良くないわけではないのだが、ショスタコーヴィチ独特の緊張感というか、センシティブな感覚が沸き起こらなかった。やはり原因は指揮者のように思う。第1楽章などはゆっくりとしたテンポだったものの、何となく間延びした感じで音楽が流れてこない。表情が平坦なのだ。一転して、第2楽章は猛烈なスピードで駆け抜ける。これは京響のポテンシャルが勝ったということだろう。再び第3楽章は間延びな感じ。そして第4楽章は駆け抜ける。。。どうも音楽の組み立てが単調な感じでした。京響のヴィルトゥオーゾ性は存分に楽しむことができただけに残念でした。

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