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2014年2月23日 京都市交響楽団
第576回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

メルキュール/オーケストラのための「トリプティーク」
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ:児玉桃
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:秋山和慶

感想・短評

ストラヴィンスキーイヤーを締めくくる快演となってちょっと興奮気味です。快進撃を続ける京響。今日の演奏会も全席完売とのことで、会場は熱気を帯びていた。熱い演奏加わり、ホール全体が熱っぽくなったのは言うまでもないですね。

さて、前半戦はメルキュールという聞きなれない作曲家の曲から始まる。これが結構ヒットだった。現代曲とはいえ非常に聴き心地が良く、第2楽章となる中間部のリズム感と切れの鋭い演奏は実に爽快だった。いきなり聴衆の心をわしづかみにしましたねー。

続くモーツァルトは私がクラシックの道に浸かるきっかけになったといっていい曲。高校生の頃、すり減るまでCDを聴いたものです(CDはすり減らないけど)。今日の京響にかかると、モーツァルトもなかなかに安定した心地よい雰囲気。児玉さんのピアノは私が想像するような若々しさというか瑞々しさではなかったものの、どちらかというと大人の落ち着きのあるしっとりした歌いっぷりだった。そういう意味では地味な演奏だったかな?美しくはあったのですが。おかげで記憶が飛ぶ瞬間をよく覚えてます(笑)。

さて、後半は大熱狂といっていいでしょう。絶好調の京響で聴くハルサイなんて、考えただけでも鳥肌が立ちます。昨年秋にベルリン・フィルの超高額のハルサイを聴いて欲求不満になった記憶が新しいので、今日の演奏はメモリアルイヤーを痛快に締めてくれたというほどのものでした。冒頭のファゴットの完璧さで快演は約束されたようなものです(笑)。ただでさえ複雑で難しいハルサイですが、各パートに注目している余裕もなく非常に聴く方も疲れました。その中でもやはり今日のMVPはパーカッションですよね。特にティンパニと大太鼓は文句なしです。これでもかというくらいにシンクロしていたのも素晴らしい。もちろん咆哮する金管、多彩で目まぐるしく動く木管、それらを支える弦楽器。すべてが聴きどころ満載でした。いやー、満足度と興奮度はベルリン・フィルを凌ぎますなー。秋山さんの指揮はもう少しいやらしさも欲しくはありましたが、これだけ整頓して聴かせてくれるハルサイも悪くないです。

1年後にも沼尻さんの指揮で聴くことができるだけに、この「音の祭典」を体験したい方は是非来年どうぞ(笑)。

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