2回続けてムントによる京響。シベリウス・プロなので非常に楽しみにしていた。京響の弦の冷たさが効果的だと思って・・・しかし、期待はうれしいほど裏切られた。「ムント、恐るべし」だ。9/9の時と同様、京響の深みのある弦の響きに驚いた。
はじめの「フィンランディア」では、一音一音噛みしめるように丁寧に十分な「ため」をとった出だし。決して急がず、派手にならず、冷たい響きもない。フィンランドだからさわやかさを期待したいところだが、この曲の内面を見事にえぐり出した演奏だった。実に深みのある熱い響き。フィンランドの愛国心をうたった曲だということを再認識させてくれた演奏で感動的だった。
「カレリア」では以外とあっさりと過ぎてしまったので、期待していただけに何かモノ足らなかった。
曲を知らずに聴いていたが、「4つの伝説曲」は非常に内面を表していた演奏だったように思う。第2曲の「トゥオネラの白鳥」は有名で、全体にシベリウスの魅力がフルに詰まった曲。ムントの棒裁きが冴えに冴えた名演に満足した。
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