一度は東京に行こうと思っていた「ラ・フォル・ジュルネ」。最近は東京以外でもちょこっと開催されるようになってきたが、ついに関西に上陸した。それも最寄のびわ湖ホールなので行かない訳ありません。問題としたらゴールデンウィーク中の開催ということくらいか。
クラシックのイベントということで集客を少し心配はしていたが、なんのなんの。完売公演続出の上、ロビーでの無料演奏会なども満員の大盛況。これだけの成功なら来年もきっとありますね。イベントそのものは5月1日〜2日の2日間だが、演奏会メインなのは2日のみとなっている。タイムスケジュールとにらめっこし、人気の2公演に照準を合わせた。
まず、びわ湖ホール声楽アンサンブルの公演。少し小さめの中ホールが会場だったが、舞台を前にせり出した設定だったので、前から3列目というかなり近い位置となってしまった。声楽アンサンブルの演奏会なのだが、急遽、大フィルのコンマスである長原さんとその仲間達が集って(ヴィオラに大山さんが入るほどの充実)豪華な布陣となった。冒頭の「魔笛」序曲は弦楽アンサンブルとスキャットによる変則バージョン。聞きなれないので違和感は大ありだったが、技術的に高度な技を体感することができた。個人的に満足だったのはシューマン「詩人の恋」。声楽アンサンブルの各個人のレベルの高さを知る上では絶好の演奏でもあった。また、長原さん率いるアンサンブルのみの「ディヴェルティメント」も追加でプログラムイン。実に楽しげに演奏する様はモーツァルトにぴったり。ちょっと刺激的だったが、イベント向けのノリノリ演奏でした。
場所を移動して大ホールでのオーヴェルニュ室内管弦楽団の演奏会。目玉は言うまでもなく小曽根さんだ。カブリツキのために1列目のほぼ真ん中の席をGETしていたのだが、微妙にピアノの角に小曽根さんが隠れて見えにくい位置だったのは残念。。。それでも間近で聴く小曽根さんの痛快なカデンツァはまさに小曽根ワールド炸裂。もっとぶっ飛んでもらいたいところもあったものの、楽しんで弾いていたのが良く感じられた。最初は無表情のオケや指揮者は、曲が進むにつれ笑顔がこぼれ、小曽根さんのソロにはノリノリになっていたり。異ジャンルでも音楽は通じるものがあるんですね。オケは好サポートだったと思います。1曲目のディヴェルティメントだって、フランスらしい軽やかに流れる演奏で非常に優雅さを感じられました。先に聴いた長原幸太&フレンズとは全く別のスタンスだったのも面白かった。
ホールの外(ロビー)でもいろんな演奏会が繰り広げられていた。1日中いろんな音楽に浸れるこういうイベントはたまにはいい。何日もいらないが、毎年あると定着していくと思うので、ぜひ続けていってもらいたいと思った。
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