2日続けての京都コンサートホール。昨日は京響の圧倒的にエキサイティングな演奏があったばかりなので、今日の演奏はかすんでしまうのではないかと心配した。しかし、それは心配ご無用のベルティーニ=都響という極め付けのマーラープログラムだった。会場はいつものように7〜8割ほどしか入っていなかったが、今日もまた名演に巡り合うことが出来た。
最初はさすらう若人の歌。第1曲の出来が最高で、今日の全てが成功すると確信できた。のっけからベルティーニによるマーラーの世界にホール全体が変化した。巨匠にふさわしい円熟味あふれる演奏を都響は見事に表現していた。最も魅力があったのは弦楽器。昨日の京響と比べると雲泥の差があるほどの深み。これがさすらう若人の歌の根底を支えていたのは言うまでもない。
さらに圧巻は「巨人」。今までに聴いた中でベストの演奏と言っても過言ではないだろう。オケが先走りや暴走しないよう、巧みにコントロールする巨匠の指揮はまさに魔法のようだった。派手さや勢いだけに任せるマーラーではない。そんな中にも、第2楽章などは生き生きとして、若さあふれる演奏だったのが印象に残る。曲の本質をつく素晴らしいマーラー演奏だったと思う。
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