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2004年11月20日 村治佳織 スペシャルコンサート
春風亭小朝を迎えて贈る(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

ターレガ  アルハンブラ宮殿の思い出
ターレガ  アラビア風奇想曲
ターレガ(編曲)  ヴェニスの謝肉祭による変奏曲
テオドラキス  エピタフィオス より
 (不死の水、わが星は消えて、5月の日、きみは窓辺にたたずんでいた)
武満 徹(編曲)  ギターのための12の歌より
 (早春賦、ミッシェル、イエスタディ)
ディアンス  サウダージ 第3番

演奏者(指揮者・ソリスト)

語り:  春風亭小朝
ギター:  村治 佳織

感想・短評

日本を代表する美人演奏家のひとり(笑)。今回は聴きに行くというよりも、見に行くという要素の方が強い演奏会だ(ごめんなさい。不純です)。全て招待による公演の上、全席自由席なので開場1時間前にホールに足を運ぶことにした。会場ではすでに15人くらい並んでいたが、これくらいならば望む席で見ることが可能だ。作戦成功である。開場30分くらい前から人が押し寄せ、開場時間には、すでに京都コンサートホールの長いループ状のエントランスを1周するほどになっていた。さすがの人気の高さにおどろいた。会場内は前3列が「関係者席」というふざけた仕組みであったが、予定していた5列目に席を確保することが出来た。京都コンサートホールはあまり満席になる公演はないのだが、今日はポディウム席を除いてほぼ満席だった。

さて、村治さんの登場。噂に違わず美人である。何はさておき笑顔がとても魅力的なのだ。当たり前だが、全く動じることなく楽しげにあいさつと短い話を披露。前半の演奏はターレガの定番曲から。村治さんの実力を知る上では格好の曲だったのだろうが、いかんせんホールがよろしくない。あまりにも大きすぎな上に、そんなに響かないホールなので質素に聞こえてくる。ギター1本で大ホールはさすがに辛い。後ろの方に座った人たちはほとんど聞こえなかったのではないだろうか? それでも非常に繊細で上品な演奏を聴かせてくれていたのは間違いない。後半のプログラムは面白く、武満氏編曲の小品などはなじみ深い曲だけに存分に楽しめた。最後のディアンスの曲は、締めくくりとして最上の聴かせどころだったし。アンコールはマイヤーズ作曲「カヴァティーナ」という曲だった。

今回のもう一つの見どころは、春風亭小朝によるトークである。一席やるのかと思ったが、そうではなく、司会のような役で登場。前半は曲の解説、後半は村治さんとのトークセッション。さすがに噺家は飽きを感じさせることなくグイグイ話に引き込んでいく。いつものような毒のあることはあまりいわなかったが愉快なひとときだった。

終演後、いつものように楽屋口を訪れた。さすがに村治さんともなるとファンが押し寄せるのだろうと思いきや、なんと自分一人しかいないではないか! 今日の客はそんなにファンじゃなかったのか? それともコンサート慣れしていない人だったのだろうか? 何はともあれ、40分近く待ってからまず小朝師匠がでてきたのでサインをもらって、先週見たテレビの話を少しだけさせてもらった。その後、しばらくして村治さんが出てきた。舞台上と変わらないさわやかな笑顔である。サインにも快く応えてくれた。少しだけ話をしたが、なぜか昔からの友人のような感覚を覚えるほど気さくで何の飾り気もない人だ。高感度ナンバーワンである。写真はNGだったが、村治さんの方から握手を求めてくれる気の使いよう。とてもギターを演奏するような手ではない、女性的な優しい手だった(なんかオヤジくさい表現かな?)。今度は小ホールなどでぜひ聴いてみたいものだ。

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