関西を中心としたクラシックコンサート報告サイト「大音楽惑星」
Home Concert Report コンサートのススメ CD Review リンク集 kotarinette
 大音楽惑星 ホーム > コンサート報告 > 2009年 > 新日本フィルハーモニー交響楽団 第450回定期演奏会
クラシック・コンサート報告 コンサート報告
■年度別

■コンサートランキング
MANAITA.com
コンサート名・公演名

2009年9月18日 新日本フィルハーモニー交響楽団
第450回定期演奏会(すみだトリフォニーホール)

演奏曲目および評価

メンデルスゾーン/序曲「海の静けさと幸ある航海」Op.27
R.シュトラウス/メタモルフォーゼン
ベートーヴェン/付随音楽「エグモント」Op.84(全曲)



演奏者(指揮者・ソリスト)

ソプラノ:サンドラ・トラットニック
語り:広瀬彰勇
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:クリスチャン・アルミンク

感想・短評

実に5年ぶりとなる新日本フィル。東京のオケはどこもレベルが高くて、どこも人が入っていて成功しているイメージがあった。しかし、やはりどこのオケも今は厳しいのだろうか? 1階席の前半分はかなりの空席が目立った。トリフォニーホールはフラットだから逆に人が少なくて、個人的には見やすくて良かったけど、日本のオーケストラ事情が垣間見られた気がして残念だった。

そんな悲観的なことは置いといて、今日のプログラムはなかなか通好みの渋いプログラム。最もユニークだったのは全編にわたってナレーションがついていたこと。舞台上、1stヴァイオリンの前あたりに書斎のようなセットが作られており、辞典や本が積み上げられたレトロな机が置かれてあった。曲の背景説明なんかも兼ねており、なかなか斬新で良かった。

メンデルスゾーンはナレーションの効果もありドラマチックだった。勇壮なナレーションに続き、静かで壮大な音楽が流れ始める。弦楽器に定評のある新日本フィルなのでこういう曲は聴かせてくれる。ただ、管楽器はねぇ。。。以前聴いたときよりは良くなってましたが、ホールの特性なのか?相変わらずピッコロが耳障り。響きすぎで他のパートを阻害してしまっていた。

R.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」は23人の弦楽器で奏でられる曲ということもあり、新日本フィルの弦楽器を存分に堪能できた。ただこちらも、チェロを始め、全体的に音程が甘くて、ピッチも高めに感じた。アルミンクの指揮は速めのテンポでさらりと流すスタイルだったのが好みではなかったかな。せっかくなのでもっと鎮魂的な表情が欲しかった。

後半の「エグモント」全曲は期待以上の出来だった。それも広瀬さんのナレーションの功績が大きい。さすがに劇団四季でならしただけのことはあり、俳優によるナレーションというのは凄みがあった。純粋に音楽を聞きたかった人には不満だろうが、これも劇付随音楽の一種の形と言ってもいいだろう。よく知られた序曲は勇ましく、華々しい演奏を繰り広げてくれた。全曲は初めて聴くが、なかなか聞きやすい。ただ、ナレーションがあったために楽しめたものの、いささか単調な曲だったかも。第1曲、第4曲ではソプラノの歌も入る。劇中に登場するクレールヘェンの歌だ。マイクを付けたナレーションに負けない声量のソプラノは聴き応えありました。出番が少なかったのと、第1曲なんかは面白くない曲だったのが残念なところ。第5曲、第7曲ではオーボエが大活躍。第6曲もクラリネット大活躍するところだが、あまり音色が好みではなかったかな。特に特徴がなかったし。ナレーションもエキサイトしていき、終曲(序曲の後半部と同じ)は壮大に盛り上がって曲が閉じられました。いやいや面白い。こういうナレーション付きの曲をいろいろ探したくなります。

終演後は指揮者やソリスト、ナレーションの方々にサインをもらい満足して帰途につけました。しかし、電車マナーは大阪より東京の方が悪いのかなぁ。押すわ割り込むわ。帰り道で東京の悪い面ばかり目につき、嫌な気分になったのが残念だった。。。

2009年コンサートカレンダーにもどる

Copyright