この時期は毎年N響が恒例になっている気がする。今回は大阪に新しくできた「NHK大阪ホール」の完成記念演奏会。大阪ではザ・シンフォニーホール、いずみホールなどが音響の良いホールであるが、このホールもその仲間入りができるか? それを検証するために演奏会に足を運んでみた。ホールは大阪城の南西側にあり、地下鉄の駅からほど近いところに存在している。NHKの立派なビルの中核をなしており、床などの内装も非常に贅沢な作りであった。これが受信料で作られているのかと思うと、少々複雑なものがあった。。。 定員は1,400名。バルコニーとバックステージ席がない作りで、以外にも小さめである。ステージもそれほど大きなものでもなく、合唱付きの曲などはかなり辛そうな感じがした。
ホールの外見はともかくとして、響きの方はというと、「並」といったところ。どちらかというと「あまり好きではない」方に入る。まず、ヴァイオリンの音色が豊かに響いてこない。窮屈な感じさえした。また、金管(特に高音域)がやかましく響く。オケの全体としてはちょっとバランスがよくなさそうである。それは今日のN響の出来もあったのだろうか???
前半は金管勢が活躍する輝かしい曲目。金管が頑張り過ぎなのか、前述のようにホールのバランスの問題なのか、あまりよろしくなかった。弦楽器がうまくきこえて来なかったのがかなりのマイナス。
しかし、後半は弦楽器が主体の曲となり、かなり充実した響きを聴かせた。特筆すべきは「パルシファル」「トリスタンとイゾルデ」。N響でなければあの厳かな曲や甘く悲しげな曲を表現することは難しいんではないだろうか。「ワーグナーを聴きに来た」という実感がこの時初めて感じることが出来た。そのようないい気分に浸っているところに、最後に「ワルキューレ」。なんという無茶なプログラムか!と思ったが、前半とは異なり、金管も節度ある演奏を聴かせて、最後にふさわしい閉め方をしてくれたので良かった。
今日の指揮者はイタリア・オペラ界の巨匠らしいが、さすがにイタリア風のワーグナーにきこえてしまう箇所も数多くあった(考えすぎ?!)。全体に見るとテンポが少し早めで、単調な感じがした(特に単調だったのは「マイスタージンガー」!)。
なお、本日の演奏会模様は11/23の朝にBSで放映された。しかし、録画するのを忘れてしまったので復習が出来なかった(T.T)。
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