久しぶりのNHK大阪ホール。珍しくN響の招待券をいただくことができたので、意気込んで行ってきました。なぜなら、サラ・チャンのヴァイオリンが聴ける(見られる?)から。
やっぱりスゴイです、N響は・・・。聴く度に思い知らされるばかり。前から2列目という視界の悪い場所でしたが、その威力は十二分に感じられた。1曲目の「亡き王女のためのパヴァーヌ」はホルンが危うい感じだったものの、美しくまとめてくるところはさすがN響。この柔らかさを出せるのは容易くないはずです。
さて、今日のメインはサラ・チャンのヴァイオリンだ。7年前ほど前にマズア&ロンドン・フィルでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いたときは、あまりのダイナミックな演奏と立ち回りに度肝を抜かれたものだ。あれからだいぶ年は重ねたものの、全く勢いは衰えてませんでした。「円月殺法」はまだ健在でした(汗)。オケもコンチェルトとは思えないほど強奏するのだが、サラ・チャンはそれをモノともせず、完全にオケと真っ向勝負を仕掛ける。もはや音楽というよりも音の格闘技だ。演奏そのものはダイナミックで、かつその中に豊かな叙情性も潜む。いやー、聴くよりも見る演奏に完全に参りました。
後半は久々のベタな曲「展覧会の絵」だった。しかし、ウマいオケで聴くと威力が違う。トランペットやホルンという要は今ひとつだったが、N響の分厚い弦にかかるとものすごい充実感があった。ノセダの指揮は速めだったので、N響のヴィルトゥオーゾを存分に味わうことができた。「キエフの大門」ではスケール感を極大に感じさせるテンポ設定で雄大に決めてくれた。うなりながらの指揮は非常に気になったものの、実に楽しい演奏でした。
アンコールはラヴェルかと思いきや、チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」より“トレパック”でした。快速演奏でスカッとしたが、幾分か大味だったかな・・・
久々のNHK大阪ホールでのN響演奏会。やっぱり日本を代表する一流オケは格が違いますね。
2008年コンサートカレンダーにもどる
|