いつも満員のNHK交響楽団大阪公演。このNHK大阪ホール公演はやたらチケットが高いのでなかなか手が出ないが、幸運にも招待券をいただいたので行くことができた。本来であればお金を出してでも行きたいプレヴィンの指揮だ。相変わらず客層としては年齢層が高く、他の演奏会とは雰囲気が異なる。NHK交響楽団の定期公演も年齢層高いので、NHKといえばそういうイメージなのですが。。。
さて、プレヴィンのブラームス。意外にもイメージがない。プレヴィンは最も好きな指揮者の1人だし、レパートリーの広さにも定評があるのだが。円熟なブラームスが聴けるはずなのは間違いないが、どのような演奏になるのか・・・。
第3番はブラームスでは一番好きな交響曲。特に冒頭のスケール感がなんとも好きなのだ。プレヴィンは予想通り?あっさりと始める。力を入れすぎずに自然にといった方が正しいのかもしれない。テンポや強弱などは特に特徴もなく、極オーソドックスだった。それがブラームスでは大事。変な気をてらう音楽はいりません。第2楽章から第3楽章が美しかった。N響の弦楽器のうまさが際立ったともいえる。
驚きは第4番の方だった。これまでに聴いた中で文句なしの名演といえる。高齢の指揮者とは思えない躍動感溢れる高密度な音楽。N響が得意とする曲なのかもしれないが、どこを切っても重厚感に溢れるブラームスそのものでした。プレヴィンらしくないといえなくもないが、若いころの勢いのある姿ともいえるので、良い面が出ていたのではないだろうか?第1楽章の哀れみ、第2楽章の美しさ、第3楽章の華やかさ、第4楽章の複雑な激しさ、どの楽章も意味ありげに聴こえたのは初めて。N響の弦楽器の充実は言うまでもなく、金管がここまで改善しているとは思ってもいなかったので、これまでにない素晴らしい演奏になったわけです。プレヴィンの指揮も第4番ではかなりノリに乗っていたのが良く分かった。
いやー、巨匠のブラームス演奏は若手には真似できない何かがあります。音楽に込められていたえもいわれぬ深みをもう一度味わいたい。
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