いやー。期待してなかっただけにすごい満足感のある演奏会でした。モーツァルトは大編成のオーケストラではなく小編成であるべきだと改めて感じることができた。特にピアノ協奏曲はそう思った。
1曲目は「ハフナー」。指揮者なしの演奏スタイルなので、幾分機械的で味付けは感じられないが、バロック音楽のようなキビキビした印象で実に斬新だった。特に第3楽章は音を短く切り、快活なまでの若々しさはモーツァルトならではのものだった。
2曲目のピアノ協奏曲第23番はさらに素晴らしい演奏で、今までのベスト演奏に挙げられると思うほど満足した。この曲は私が高校時代にクラシック音楽へと魅せられた曲の1つであり、CDを何度となく聴き続けていた思い出深い曲だ。アンスネスは弾き振りだったものの、指揮者が入るだけでオケの響きは明らかに豊かになった。この曲ならではでもあるが、控えめなまでの優しく流れる旋律は絶品。ここまで品のあるモーツァルトは聴いたことがない。第2楽章はさらに圧巻の美しさ。またモーツァルトにハマってしまいそうな素晴らしい演奏でした。
後半の「ホルベルク組曲」はさすがにお国モノだけありうならせる演奏。1曲目の指揮者なしとは異なり、自発的度がさらに高まったアグレッシブな演奏で、美しさとスピード感が楽しめた。
最後は聴き込んでいなかったために眠くなってしまった演奏だが、23番と同様にアンスネスの力量を十分に感じられる素晴らしい響きを味わえた。オケも素晴らしいが、アンスネスのピアノのなんと美しいことか!
アンコールもモーツァルト。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番より第3楽章
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