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2000年1月20日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第334回定期演奏会(フェスティバルホール)

演奏曲目および評価

ヴァイル
  交響曲第1番
  小さな三文音楽(管楽器のための)
  「小市民の七つの大罪」より プロローグ
  「ハッピーエンド」より ビルバオ・ソング
  「ハッピーエンド」より スラバヤ・ジョニー
  「マハゴニー市の興亡」より アラバマ・ソング
  「ニッカポッカ氏のホリデー」より セプテンバー・ソング
  交響曲第2番

 







演奏者(指揮者・ソリスト)

ソプラノ: 伊藤 叔
メゾ・ソプラノ: 三橋 千鶴
指揮: 若杉 弘

感想・短評

クルト・ヴァイル生誕100年・没後50年記念企画。なかなか演奏される機会が少ない曲だけに大いに期待していた。このところシンフォニーホールで大フィルを聴いているのでうまく聴こえるが、今日はフェスティバルなのでどうなることやら。

まず交響曲第1番。この曲は初めて聴く上に、不協和音の連続なので、ちょっと掴みづらかったが、ヴァイルのいろんな面を観ることができる曲であった。曲の完成度という面では少し低い気もする。何か、秩序を求めようとさまよい歩き、ある解を見いだしかけるが到達できずにまた無秩序な世界へと戻っていく・・・いいたいことは分かるような気がするが、掴みきれない。おまけにどこからコーダに入るのか分からなかったし。大フィルの演奏としては混沌とした世界をよく表していたんじゃないかと思うが、少し平坦気味で退屈。

2曲目はうって変わって軽快な三文音楽。管楽器のための曲なのでかなりゾッとした(大フィルの管はねぇ・・・)が、ところがどっこい、素晴らしい演奏を聴かせてくれたのだ!大フィルは重い曲より軽い曲の方が向いているということなのか?!特に良かったのはトランペットとフルート。この組曲は7曲から成るが、どれをとってもヴァイルの魅力を存分に見せてくれた。好評だったため、定期演奏会には珍しく1曲アンコールまでしてくれた。

後半はソング集。ソプラノは座った位置のせいか良く聴こえなかったが、メゾ・ソプラノは非常に芯の太い発声で、ミュージカルの素晴らしさを満喫させてくれた。特に「ビルバオ・ソング」がおもしろさ満点。「セプテンバー・ソング」もヒット作だけに美しく歌い上げてくれた。

最後は交響曲第2番。第1番とは違い完成度の点でも高い曲だけに期待が高まる。大フィルも疲れ気味なのか少しパンチ力に弱く、メリハリに欠ける演奏となってしまった。若杉氏の指揮もオーソドックスだったためスピード感が薄れていたが、出来としてはまずまず。最後のティンパニはもう少しアタックが欲しかったのが心残り。

今日は久々に1階席で聴いたのだが、やはり2階に比べて圧倒的に音響は良い。今まで大フィルが下手に聴こえていたのは2階席の後ろの音響悪さが50%くらい占めていたような気がしてきた。もう少し検証してみよう。

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