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コンサート名・公演名

2004年4月23日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第377回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

ラヴェル  ラ・ヴァルス
ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第3番
ストラヴィンスキー  バレエ音楽「春の祭典」



演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ: ファジル・サイ
指揮: 大植 英次

感想・短評

今回は何といっても話題のピアニスト、ファジル・サイに大注目。絶好調の大植氏との対決にも目が離せない公演となった。

はじめはラ・ヴァルス。大植氏のタクトはしなやかで、大きくリズムを揺らすなど、とても妖艶なものだったが、オケが重い上に色っぽさを表出するまでには至っていなかった。おまけにパーカッションが攻撃的すぎで舞踏会とは言えず、戦場音楽のような様相を呈していたのが残念なところだった。もっと高雅で華麗に演奏してもらいたかった(最後は超快速で終わったし)。どうしても98年のベルリン・フィルでの名演が頭から離れずに比較してしまうのがいけないのだが。

その後、サイの登場。4月のトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンでもベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の演奏会があったように、同曲の演奏会が多すぎる。幾分飽き気味になっているのだが、今日ほど演奏に聴き入ったことはないくらいの素晴らしい演奏であった。オケの方は正統的でゆっくりとしたテンポをとっており、とても丁寧に奏でていた。さすがに4/12とは人数が異なるために厚みは十分にあった。そこにサイのピアノが重なっていく。最初の1音を聴いただけで実力が分かったくらいの強烈なものだった。演奏会前には、「せっかくサイのピアノなんだから、古典よりはもっと刺激的な曲を聴いてみたいな」と思っていた。しかし、なんの。ベートーヴェンはバッチリはまっていた。スタッカート気味に音を強く短く弾いていたので、古典には向いた安心感と、生き生きした躍動感に満ちていた。流れるような表情を見せたかと思うと、嵐のような強烈な表情も振りまく。まさにピアノが体の一部と化しているかのように、変幻自在に操っていた。それも、指揮者が必要ないくらいに大きく激しい弾き振り状態のアクションで。。。カリスマ性が炸裂のピアニストである。さらに、驚いたのはカデンツァにやって来た。すでにベートーヴェンの曲ではなく、サイの曲となっていた。ジャズの要素も強い、激しく轟くピアノ。会場はあまりにも奇抜なカデンツァに息を呑んで微動だにせず聞き入っていた(1人アメの袋をジャラジャラ鳴らすバカモノもいたが)。そんな激しいカデンツァもさることながら、第2楽章のとろけるような美しさには参った。どんな表現も自由に弾きこなせるピアニストなのだ。

アンコールでは、モーツァルトのきらきら星変奏曲を披露してくれたが、卓越したテクニックとその表現力で、文句のない演奏だった。

スゴイ演奏の後になったが、大植氏の春祭も見逃せない組み合わせだ。大フィルで聴くのは2回目。以前聴いた時は迫力こそスゴかったが、バランスの悪さとやかましさで、ちょっと曲の本質をついていないような演奏だった気がする。しかし、今日は大植氏の明確な指揮のおかげで、形は整っていた。おまけに迫力は犠牲にせず、やかましくならない程度に抑制していたようで、良い演奏だったように思う。ベートーヴェンがあまりに良かったせいで印象が薄くなってしまったのは残念かな?

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