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2007年9月7日 大阪フィルハーモニー交響楽団
大阪クラシック 第8公演(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番 第2楽章
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」


演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮・ピアノ:大植英次
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

感想・短評

大阪のど真ん中、御堂筋をメインに1週間開催される「大阪クラシック」。昨年始まったイベントが大盛況だったとのことで、今年も行なわれました。店先や、銀行、市役所などで無料や安価なミニコンサートがたくさん行なわれます。今日の演奏会はその一連のイベントで、ザ・シンフォニーホールでの唯一の公演です。

目玉は「悲愴」だが、ひそかな注目はモーツァルト。なぜなら、指揮者の大植さんが自らピアノを担当するからだ。でも、やっぱりピアノはおまけだったか? テンポが遅くて抑揚のない退屈な演奏・・・大植さん、そんなに弾けないのかな???

気を取り直してメインの「悲愴」。今日の演奏会を端的に言い表すとすれば、「荒っぽい。やりすぎ。客のマナー悪い。」これに尽きます(汗)。冒頭からすごいタメを強調した指揮。大植休止ともいえる静寂を多用していた。ただ、オケがついていけず、リズムも流れも良くない。それ以前に、自分が座っていた2階バルコニーの音響が悪くて残念だった。。。弦の厚みが感じられず、旋律も明瞭に聞こえてこない(さて?座席のせいか?オケのせいか?)。さらによろしくないのが金管。こちらはどうやら音響のせいではないようだ(汗)。それでも木管は素晴らしい働きを見せてくれた。特にクラリネットは良かったですね。ソロも多いが、あの緊張感の中で美しく吹くのは頭が下がります・・・と、ここでアメちゃんの包みをジャラジャラいわすなー(怒1)!

第2楽章は軽快で流れがよく上手かったが、まぁ普通といえば普通かな・・・第3楽章はやりたい放題の怪演。速めのテンポで颯爽と始まる。しかし、2度目のシンバルのあとに、わずかな休止!そのあとに続くティンパニの品がない音色による強打!大植さんの煽るような指揮!あらゆるやりすぎに度肝を抜かれました。そして燃え盛るように第3楽章が終了。そして大拍手・・・あぁ、拍手しちゃったよ。大植さん腕を下ろしてないのに。

それに引き換え、第4楽章は最高の出来栄えでした。この楽章での長い休止はとても意味があります。弦楽器のむせび泣くような表情は上手かったです。そして、打ちひしがれるように低弦の音が消えていく・・・また拍手かよ!指揮下ろしてないやん(怒2)。一度パラパラと拍手が消えたあと、大植さんが腕を下ろしたところで大拍手。でも「ブラボー」はないだろ(怒3)!悲壮感に浸らしてくれ。

先月のルツェルン音楽祭サイトウ・キネン・フェスティバル松本でマナーの良い気持ち良い演奏会を経験しているだけに、今日のような関西らしい演奏会はちょっとうんざりします。この数年、大物オケが大阪を避けるように日本公演をする意味はこれも原因の1つなんだろうなぁ。良い演奏会は、良い聴衆が作るということをはっきり認識した、そんな演奏会でした。

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