オール・エルガー・プログラムなので客席の埋まりも良くない。意欲的なプログラムなんだからもっと入ってもらいたいんだけど、やっぱり地味さは拭えないか。
意欲的とか言いながらも、最初の「海の絵」は実は初めて聴く曲。意外にCD出てないのよね。気に入ったのは第1曲と第2曲。疲れた身体には、波に揺られるような穏やかな音楽が実に心地よかった。重松さんの歌声は低くて、ちょっとシャンソン的な雰囲気があった。声量的にもの足らない気もしたが、こういう曲なら合ってるんでしょう。尾高さんの指揮はいつもながらとても丁寧で、エルガー指揮の第一人者にふさわしい風格を漂わせていた。終曲は「エニグマ」ライクで、いかにもエルガーって感じがして楽しかった。
後半は難曲の交響曲第2番。本当にいろんな旋律が入り混じっているような複雑な曲なので、聴いているほうも集中しないとただ流されてしまう。尾高さんは前半と同様に風格が感じられたものの、オーケストラの方が少し乱れがちだったか。重厚な大フィルのサウンドは堪能できましたが、もう少し細部までの精密が欲しかったかな?全体的には満足しましたが。
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