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2013年6月20日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第469回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 
ラヴェル/組曲「クープランの墓」
ウォルトン/管弦楽のためのパルティータ

演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:崔文洙
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:レオン・フライシャー

感想・短評

なかなか渋い選曲ではないか。こういうのには惹かれるが、世間はそうでもないのだろうか?客席はかなり空席が目立っていた。2階席は半分入ってなかっただろうな。木曜日公演だし、台風も来ているからなのかもしれないが、定期2日公演も成功しているのかなぁ。

前半は大フィルのコンマスである崔さんのソロでベートーヴェン。指揮のレオン・フライシャーは聞いたことなかったが、高齢のためか椅子に座っての指揮だった。先週の若手指揮者のベートーヴェンとは全く別で、こちらは王道を行く老熟した演奏だった。ベートーヴェンはこういう方があってるかな?疲れているときには特に心地よく感じる。崔さんのヴァイオリンも非常に素直というか、すっきりした美しさでこれもまた心地が良い。そうなると、、、睡魔のお出ましです(笑)。どうもこの曲は睡魔くんが出やすいです。一気に目が覚めたのは第3楽章のカデンツァですね。なかなかの白熱した演奏に目を見張りました。半分寝てましたが、良い演奏でした。

後半は私の好みです。ラヴェルはオーボエが大活躍する難曲だと思いますが、テンポも速かったこともあるのか、音色があまり合ってない感じでフランス音楽の洒脱さを感じるまでには至らなかった。でも第3曲と第4曲は尻上がりに調子が上がって美しかったです。

最後はメインイベントのウォルトン。どうも今年はウォルトンの没後50年とのことだが、あまりウォルトン特集を組んでいる演奏会を見たことがない。スケールの大きな良い曲も多いのに残念だ。その中でも大フィルはウォルトンを取り上げている方なのかもしれない。数年前に「ベルシャザールの饗宴」を聞いて熱狂したことが記憶に新しいが、今回もなかなか珍しい曲を持ってきた。ほとんどの人は聴いたことがなかったのではないだろうか?CDもあまり出ていないので。演奏の方は期待が大きすぎたのか、今一つものに出来ていない感がありました。何しろ解像度が低い。各パートの戦慄が埋もれてしまったり不明確だったりで音楽の流れがつかみにくかった。テンポのいい曲なのでリズムははっきりとしてほしかったですね。最後の盛り上がりもちょっと中途半端で、曲を知らない客が多かったこともあり、拍手がなかなか出てきませんでした。本来なら熱狂的になるところなのですが。

出来はともかく、ウォルトンが聴けたことは大きい。内容的には面白い演奏会だったと思います。あとは客の入りですね。

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