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コンサート名・公演名

2004年5月2日 小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトV
(滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール)

演奏曲目および評価

プッチーニ  歌劇「ラ・ボエーム」(全4幕)

演奏者(指揮者・ソリスト)

ミミ: ノラ・アンセレム(ソプラノ)
ロドルフォ: ロベルト・サッカ(テノール)
マルチェッロ: マリウス・キーチェン(バリトン)
ムゼッタ: アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)
ショナール: サイネン・バーグ(バス・バリトン)
コルリーネ: ハオ・ジャン・ティアン(バス)
ベノア、アルチンドロ: ポール・プリシュカ(バス)
パルピニョール: 鳴海 優一(テノール)
演出: ロバート・カーセン
合唱: 小澤征爾音楽塾合唱団、杉並児童合唱団
演奏: 小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮: 小澤 征爾

感想・短評

出演者一同

ノラ・アンセレム

マリウス・キーチェン

小澤 征爾

大変な思いで手にしたプレミアチケット。小澤さんの指揮を聴くのはこれで2度目だ。あまりの人気にチケットを取るのは至難の業なのだ。もちろん、S席とかの高価な席であればまだとれるのだが、比較的リーズナブルな席は争奪戦になる。今回のチケットも、優先販売で手に出来なかったので、一般発売で朝早くからホールに並びに行ったほど。それでも取れなかったので、インターネットで何とか確保したのだ。しかし当初の予算を大幅に超える席になってしまったのだが。。。

しかし、そんな高額を出してでも聴くに値する演奏を披露してくれるこの企画はやっぱりスゴイ。前回は初めてのオペラだったにもかかわらず、その魅力にどっぷりと浸かってしまった。今回もきっと期待を裏切らないスゴイ舞台を見せてくれるに違いない。

会場は満員御礼。前回に行ったときほどではなかったが、小澤さんが姿を現わしただけで「ブラボー」の叫びが。そして間髪入れずすぐに開幕。オケも相変わらず学生とは思えないほど素晴らしい推進力でグイグイと引っ張って行く。ほとんどサイトウ・キネンと変わらないかも知れない。そのくらい全てのパートが上手かった。舞台は意外にもシンプル極まりないもの。高く煙突がつき出した部屋がぽつんとあるだけ。最近の舞台演出に良くある設定である。ちょっとがっかりな感じがしたが、この演出がかえってこの物語の深層をえぐり出していたように思う。余計なものを一切排除した純粋な物語としてはぴったりなのだ。

今回もソリスト人が強烈にスゴイ。主役級の4人が腕を競い合うかのように、これでもかと歌い上げる。圧巻は何といっても第1幕のミミとロドルフォの自己紹介シーン。スキがなかった。このオペラは初めて見るし、全くメロディも知らなかったのだが、この部分のすごさは半端じゃなかった。もちろん他のソリストもスゴイ。前回「ドン・ジョバンニ」で主役を演じていたキーチェンも一層力を高めていた気がした。

第2幕にはいると大騒ぎで楽しいカフェ・モミュス。あまりに大勢が登場するのでどこを見ればいいのか迷ってしまったが、合唱団も素晴らしく、さらには児童合唱も文句のつけようがないほど良かった。演出もかなりエロティックでやり過ぎな面もあったが、派手でとても面白かった。幕の最後にカフェの伝票を見て驚くアルチンドロの絶妙の演技などはまさに一流だ。

第3幕では、四重唱の部分などが上手い上に面白く、演技も対比もとても良くできてた。第4幕にはいると、会場からは驚きの声が起こった。舞台は第1幕のシーンと同じ設定なのだが、季節は春。舞台一面に黄色いお花が広げられていた。舞台の華やかさに反して、ストーリーは悲劇へと静かに進んで行く。最後にミミが息を引き取るシーンでは、ミミとロドルフォを残し、4人が舞台の四隅へと静かに歩いていく。妙に真実味を観衆に与える絶妙の演出だったように思う。もちろん会場のあちこちからはすすり泣きの声が聞かれた。

その後の歓声は言うまでもない。ソリスト、オケの素晴らしさも去ることながら、舞台とオケを見事に一体化させた小澤さんの手腕のすごさを感じることが出来た。

前回は終演後、小澤さんにサインをもらうことができなかったので、今回は少し心配だったが、かなり長い時間(1時間くらい?)待ってもらうことができて良かった。しかし、いろいろ聴きたいこともあったのだが、小澤さんのオーラがすごくてほとんど声をかけることが出来なかった。やっぱり、世界が認める大指揮者なんだなぁ。

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