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2002年12月26日 大阪シンフォニカー交響楽団
特別演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

モーツァルト  ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」K.219
ベートーヴェン  交響曲第9番「合唱」


演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: 田辺 良子
ソプラノ: 福永 修子
アルト: 片桐 仁美
テノール: 小餅谷 哲男
バリトン: 田中 由也
合唱: 大阪シンフォニカー合唱団
合唱: 大阪シンフォニカー感動の第九特別合唱団2002
指揮: 曽我 大介

感想・短評

年末の数ある第九演奏会のひとつに行ってきた。数々の演奏会を聞きに行っているのに、意外にも第九の演奏会は初めてなのだ(第4楽章だけのものは聴いたことがある)。第九の演奏会はどこも満員だと思ったのだが、客席がブロックごとに空いているところが多かった。企業などの招待席なのだろうか。もったいない(2階のRC・LCブロックは全て空いていた)。

第九の前にまず1曲。ソリストの田辺さんは普通というか、どこかパリッとしなかった。オケとは微妙にテンポが合っていないし、ミスも随所に見られた。そういう演奏のためかカデンツァの部分は非常に間延びしてしまって、退屈してしまった。客席でも演奏中に咳き込む人がかなり目立った。カデンツァの部分などは息を飲む場面なのだが・・・とはいえ、ヴァイオリン自体は芯の太い音を出していたのが救いか。何にしてもモーツァルトらしくはなかったが。

そしてメインの第九へと突入。はっきり言って前半は素晴らしかったと思う。早めのテンポでグイグイと進める心地よさに加え、ティンパニの痛烈なまでの強打が曲を引き締めていた。圧巻だったのは第2楽章。この楽章だけであれば◎間違いないだろう。爆裂ティンパニと身を切り裂くような弦楽器の鋭さ。テンポも軽快で、この楽章が本当に短く感じられた。ただ、第3楽章に入ると少し様相が異なってきた。ダラダラとしたというか、退屈な演奏になってしまったのだ。もちろん心地よいということも言えなくもなかったが、素直すぎて聴かせどころが少なかったのだ。

そしてフィナーレの第4楽章へ。この楽章ではオケのバランスがちょっと狂っていた。冒頭もさぞ痛烈に突入するだろうと思いきや、非常に中途半端な弱音で開始。タイミングが合わなかっただけだろうか? そしてバリトンが歓喜の歌を促す場面に。このバリトンは私の好みではない。テンポが遅かった上にこもり気味で、ホール内に通る声質ではなかった。続いて合唱。この手の演奏会は特設の合唱団が歌うので質はあまり期待できない。今回についても同様で、「この1年間練習してきたぞ〜」という気合いが充満しており、必要以上に元気満々であった。それについては文句言わないが、合唱団の年齢層がかなり高かったのがちょっと気になった。もう少し若手(学生など)を入れるべきだろう。その他のソリストについては、テノールによる行進曲部分はもの足らなく聞こえた。声量が小さい上に大合唱が乗っかると・・・ほとんど聞こえませんでした。四重唱のあと、歓喜の歌はフィナーレへと突入。最後は通常はいったんテンポを落とすのだが、それほどテンポを落とすことなくなだれ込み、激速で曲を熱狂的に閉めた。シンフォニカー特有の「終わり良ければすべて良し」か???

アンコールではお決まり?なのだろうか。「蛍の光」が演奏された。

今回あらためてシンフォニカーを聴いて思ったのは、非常に女性が多いオケであるということ。1stヴァイオリンではコンマスとコンマスサイドを除けば全て女性。2ndヴァイオリンも1人を除き全て女性。他のパートも半分は女性なのだ。こういった偏りのためか、確かに女性的な音色に聞こえた。以前はこれほどまでではなかった気がする。シンフォニカーも変わってきているということか。

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