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1999年3月5日 大阪シンフォニカー  はいかーのご招待2
第62回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)  → はいかーの報告へ
日本/オランダ交流400年記念シリーズ

演奏曲目および評価

ハイドン  交響曲第103番「太鼓連打」(ヘンレ版)
テオ・フェアベイ  Triade〜オーケストラのための(ドムネス版)
ベートーヴェン  交響曲第6番「田園」(新ベーレンタイター原典版)



演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮: 本名 徹次

感想・短評

またも私の苦手なハイドン。しかし、この「太鼓連打」はハイドンらしくない! というか、実に斬新で意欲的な作品だと思った。当時の人には受け入れられたのだろうか? 演奏の方はティンパニの非常に堅い音で始まり、ファゴットと低弦による深い響き。実にきびきびとしていた。第2楽章ではコンマスのソロが怪しかったが、「ズンチャカ・チャ・チャ・チャ」のリズムが気に入った(笑)。初めて聴く曲だけど、自分の持っていたハイドン像とは大きくかけ離れるものだった。つまり、良かったという事?

オランダの新鋭作曲家のフェアベイによる「Triade」はかなり面白かった。第1楽章前半では日本的なメロディを聴くことができ、あとはラヴェル風の非常に冷たいきらびやかな旋律が奏でられた。何か水の中にいるような感覚がある交響詩的な楽章だった。第2楽章では一転して混沌として、無秩序とさえ感じられるポリフォニー的内容。第3楽章ではさらに一転してまさにJazz。コンガ(ボンゴ?)による心地の良いリズムが魅力だった。面白かったのはやはり打楽器奏者だろう。1人で7つもの打楽器を操っていた。演奏後、作曲者が呼び出されたが、舞台になれていないためかそわそわしていたのが笑えた。

聴きものは今日のメインのベートーヴェン。冒頭から速く、第4楽章へと加速して駆け抜けていく! 私は元々ベートーヴェン嫌いだったので古楽演奏から聴き始めた。その古楽演奏よりもテンポが速いくらい。今日はしっとりとしたベートーヴェンを聴きに来たのに、思わぬ誤算で大いに喜んだ。しかし、今まで標題音楽(これは標題と呼ぶべきか?)を聴いて、情景が浮かぶことは少なかったが、今回は見事に頭の中に広がった。これはテンポのせいなのか? 本名氏の解釈のせいなのか?何にしても素晴らしい演奏だったと思う。

終演後、本名氏は何か急いでいた。コンマスの手を引っ張って退場する有り様。何か予定でもあったのだろうか? 飲み会かな?!

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